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「捏造の科学者」が面白い! -小保方事件について- [雑感]

小保方事件(*)は2月ぐらいからずっと追っていて、一貫して批判的な見方で見ていました。ちなみに元々(日本の)テレビはほとんど見ないので小保方の「全盛期」のフィーバーは逆にほとんど目にすることもなく、おかげでうかつに「おぼちゃんすごい!」などとのめり込むこともありませんでした。

(*) 何故かメディアはSTAP細胞事件と表記する事が多いのですが、世界三大不正の他の事例でも主犯の名前で事件を呼んでおり、私は「小保方事件」と呼ぶべきだと思っています。色々な調査ですでに明らかになっているように、笹井さんや若山さんは色々と責任はあるものの捏造そのものには関与していませんでした。

基本的に記事は大概は目を通し、会見も(生で見れなかったのが残念でしたが)会見を見ていた人のTweetを追ったり会見のスクリプトも目を通していたので大概の報道は把握しているつもりでした。もっとも紙媒体のみのものは追ってなかったので、毎日新聞の報道内容は(Webで見れるものしか)把握していませんでした。

小保方の「退職」が伝わり、いよいよ逃げ切りかという頃合いに、この本の出版について知りました。


捏造の科学者 STAP細胞事件

捏造の科学者 STAP細胞事件

  • 作者: 須田 桃子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/01/07
  • メディア: 単行本



そして、これは偶然だと思いますが外部調査委員会の会見の直前に原稿が固まってしまい、amazonのレビューにもある通り、タイミング的に最後の会見の内容が盛り込まれないのが残念でした。また、すでに報道の粗方は知っているつもりでしたし事件の概要もほぼ明確になっていた中で、この本を読むべきか相当悩みました。

元々基本的に紙媒体の本は極力買わないつもりだったので当初は買う気はありませんでした。最初はamazonのサイトを見てもKindle版の発売予定はありませんでした(あったかもしれませんがamazonにはKindle版の発売予定は出ていませんでした)

しかし年末辺りにKindle版が出るとわかり、発売日が一週間ずらされたり値段もほぼかわらないといったあたりで出版社が「こすい」とは思いましたが、16日0時になった瞬間に買いました。

今、英語、日本語それぞれ読みかけがいくつもあるのに、今はこの本にひたってます。ゆっくり読みつつだいぶラストに近づいてきました。

買うかどうか悩んでいる人向けに、私がよいと思ってた点と残念な点について。

良かった点:
・ 笹井さんのみならず、若山さんや丹羽さんなどとのメールのやりとり、実際に会った時の話などがあり、その中で「舞台裏」がわかると同時に各登場人物の心情も見て取れる。
・ 疑惑の内容についてもまだ私も把握していなかったようなことが次から次へと出てくる。(取材時に、当時はまだ記事にするOKが出ていなかったことや、あるいは会見の質疑に出ていた話だが、会見の内容を100%は把握できていなかったことなどによる)

残念な点:
・ 小保方という特異な人間の、その中身についての内容はない。(科学部(?)の記者だからか。)
・ あくまでも捏造の話について書かれており、(私は強くその可能性を信じている)横領の話などは出てこない。

疑惑については山のように出てくるので紹介しきれませんが一点のみ。外部調査委員会の最終報告書を見ると、小保方がデータの提出を拒否したため確定的な証拠をつかめず、仕方なしに当該疑惑については無罪といった話が多数出てきます。こちらについては、強制力のない調査なのでということを委員の方もおっしゃっています。

しかしこの本を読んで知りましたが、早稲田の調査委員会でも再三にわたり「真正の博士論文」についてデータでの提供を要請したにも拘わらず小保方は応じなかったということでした。(報道にある通り、実際には直前までファイルは更新されていたため)

なんという卑劣な。
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